新進気鋭のオランダの哲学者イェッセ・ミュルダー博士が、難しい哲学を分かり易く解説してくれます。
哲学とは「考えることについて考える学問」だと言えます。そして考えることは誰にでも出来る訳ですから、そういった意味では人間は
誰しもが既に哲学者だと言うことが出来るのです。そして更に言うならば、そういうことについて考え始めた時点で既に、私たちは哲学の只中に立っているとも言えるのです。
しかし「考える」ということは、個人的な行為ではないでしょうか。詰まり自分には自分の「考え」があり、他の人はその人なりの「考え」があるということです。そういった意味で思考というのは単に「個人の所有物」だと言えるでしょう。しかし、これが考えるということの全てではありません。何故なら私は「誰かが考えたこと」について考えることも出来るからです。そしてひょっとしたら、その人も「私の考え」について考えてくれるかも知れません。