2017年4月7日金曜日

第四部:統一的な中世と分裂した現代


パブロ・ピカソ『ゲルニカ』1937年




先日SAKS-BOOKSから発売された『アントロポゾフィー協会と精神科学自由大学』ヨハネス・キュール, ヨハネス・グライナー(共著)竹下哲生(編訳)。その中で、個と社会との関係性(対立)を論じるために、デザインとアートの関係性(対立)についても触れられた。本対談では、前掲書の編訳を行ったShikoku Anthroposophie-Kreis代表の竹下哲生と、ブックデザインの担当をしたArt Director / Designerの髙橋祐太が、主に西洋芸術史を基にデザインとアートという対立について考え、それを軸に現代日本の社会問題についても考えていく。


竹下:これまでの話をまとめると、アートというのは中世的な精神からの解放だと理解することが出来ます。それまでは社会的な関係性の中で作品を創造していた「職人」が――その創作の源泉を個人の内面に移行することで――「アーティスト」として社会から徐々に独立してきます。そして中世の職人が「伝統」に従って作品を生み出していたのに対して、アーティストは自らの「個性」を拠り所にします。伝統というのは、いわば社会の所有物ですが、個性の所有者は言うまでもなく個人なのです。