
——「近代」とは何かを、ミヒャエル・デーブス氏に問う。
私は日本人だからクリスマスを祝うことはない、という考え方にはそれなりに説得力が有る。何故ならクリスマスとは西洋の宗教であるキリスト教の祝祭であり、日本人であるということはアジアという広大な民族圏・文化圏に属しているということ、詰まり東洋の人間であるということだからだ。
しかし私は日本人であるから、西洋で発明された電車に乗ることも無ければ、西洋に由来するクレジットカードを使うことも無いし、また西洋人的な発想から投票で政治に参加することも無いと聞けば、誰もが違和感を覚えるだろう。何故なら電車にせよクレジットカードにせよ選挙にせよ、それらは全て近代的な「意識の在り方」に由来するものであって、必ずしも西洋という特定の文化圏に於いてのみ意味の有ることではないからだ。