シュタイナーのことばを理解するためには、シュタイナーの視点に立つ必要があります。その助けとなるのが、シュタイナー自らが、「変わることなくこの方法を採り続けた」と述べている《ゲーテ自然科学による世界の観方》です。ゲーテが感覚界に向けて研究したその同じ眼差しを、シュタイナーは高次の世界に向けたのです。
さて、アントロポゾフィーでは現象そのものを虚心に観ることが出発点になります。その際に取る視点は、シュタイナー自身が言うように、地水火風の《四大元素》です。今回は、まずこの《四大元素》で自然界を観ることで、通常の自然科学とはまったく異なる次元が開かれることをご紹介いたします。さらには、『農業講座』を例に、シュタイナーがどれだけ多くのことを《四大元素》の視点から述べているかを観ていき、その中でケイ酸や石灰の意味を考えていきたいと思います。