2012年1月20日金曜日

Goetheanum:『大津波の後に鳩がもたらすものは?』









ゲーテアヌムに於ける東日本大震災1周年追悼式典のお知らせ

ドイツ・ミュンヘン在住の音楽家であり、Shikoku Anthroposophie-Kreisの顧問役でもある吉田和彦氏から、2012年3月11日にスイス・ゲーテアヌムにて行われる東日本大震災1周年追悼式典に関する報告と案内が届いておりますのでお知らせいたします。
氏は、是非この情報を日本の皆様で共有して欲しい、と祈っており、またその事によって「日本に励ましの気持ちを送りたい」という考えを述べています。本追悼式典はミヒャエラ・グレックラー女史やミヒャエル・デーブス氏、神秘劇のルチファー役で名高いベテラン言語造形家、ミリアム・へーゲ女史と共にミュンヘン・アレフ・アンサンブル公演を交え、行われる予定です。


朗誦・音楽部門主催『大津波の後に鳩がもたらすものは?』東日本大震災及び原発事故1周年 追悼式典(チャリティー公演)

ちょうど1年前の今日、2011年3月11日、想像をはるかに超えた地震と津波が日本を襲い、500kmにも及ぶ東北地方沿岸の幾つもの市町村が跡形も無く流され、2万人を超える人が死亡もしくは行方不明となった。しかし災難はそれだけでは済まなかった。福島原発事故が日本人の運命に重くのしかかり、その解決の目途さえまだついていない。津波の被災者や原発区域の避難者たちは未だに仮設住宅などでの不自由な生活を強いられている。
ある民族がいつもいつもこのような自然災害と向き合わなければならないということに一体どんな意味があるのだろうか? 放射能による世界初の被害者である日本人が何故、ちょうどその66年後にまたしても原子力の被害を受けなければならないのか? こうした災害に遭わなければ解ることのない今後への民族課題を日本国民は自ら見出すことが出来るのであろうか? 或いは、やはりここでもアントロポゾフィーが大きな助けとなり得るのでは?
ミヒャエル・デーブスの講演と、20世紀の日本音楽界を代表する武満徹の作品によるミュンヘン・アレフ・アンサンブルのオイリュトミー公演を通して、日本の運命を様々な観点から考察しつつ、日本に励ましの気持ちを送りたい。
この追悼式典の収益金はすべて日本へ寄付される。

プログラム

8:00〜 追悼式典 その1
1年前に津波が襲ったちょうどその時を追想しつつ…
テラスホール オイリュトミー、ミリアム・ヘーゲによる朗誦『礎石の言』
ミヒャエラ・グレックラーによるスピーチ

さくらの祈念植樹(第1ゲーテアヌムの火災に耐えたものの昨年枯れてしまった梨の木が植わっていた歴史的な場所にミュンヘン・アントロポゾフィー協会から寄贈される桜が植えられる予定。)

16:30 追悼式典 その2
礎石ホール ミヒャエル・デーブス講演『日本に於ける民族的運命、そして今後の課題』
ミュンヘン・アレフ ・アンサンブル公演『武満 徹(1930-1996)4つのピアノ曲』
吉田 恵美、ラインハルト・ペンツェル(オイリュトミー)、吉田 和彦(ピアノ)
武満 徹 : 閉じた眼Ⅱ(1989)
ミヒャエル・デーブス講演 その1
武満 徹 : リタニ/マイケル・ヴァイナーの追憶にⅠ(1950/1989)
ミヒャエル・デーブス講演 その2
武満 徹 : リタニ/マイケル・ヴァイナーの追憶にⅡ(1950/1989)
ミヒャエル・デーブス講演 その3
武満 徹 : 雨の樹素描Ⅱ/オリヴィエ・メシアンの追憶に(1992)


日本の為の追悼行事『大津波の後に鳩がもたらすものは?』にて武満徹(1930-1996)のピアノ曲をオイリュトミー公演に取り上げる理由

ミュンヘン・アレフ・アンサンブル

(1996年結成)の公演計画の中で武満徹の作品を取り上げたプログラムを近い将来に実現したいという意図は既に存在していました。何故ならこれまでのヨーロッパで、20世紀の日本音楽界を代表するこの作曲家の作品がオイリュトミー公演で取り上げられたことがなかったからです。
彼の音楽的世界観の中には『祈り・希望・平和』というテーマが色濃く存在しています。ですから、東日本大震災からちょうど1周年にあたる2012年3月11日にゲーテアヌムに於いて追悼行事を行う構想が生まれた時点で既に、それは武満徹の作品をオイリュトミーで公演するということと結びついていました。
その追悼行事では、ミヒャエル・デーブス氏の『日本に於ける民族的運命・そして今後の課題』と題された講演に挟み込む形で4曲のピアノ作品をオイリュトミーで表現しますが、その4曲が選ばれた理由は、それらすべてが深い『追悼』の意を込めた作品だからです。

始めの『閉じた眼Ⅱ』はピアニスト、ピーター・ゼルキンの委嘱により1989年に作曲された作品ですが、その10年前の作品『閉じた眼』は詩人・瀧口修造の死を悼んで書かれたものです。いずれにせよ、このどちらもシカゴの美術館に展示されているフランス画家オディロン・ルドンの同名のリトグラフからのインスピレーションが背景に存在し、そのルドンの作品には彼の長男の死とその3年後の次男の誕生という2つのエレメントが交錯しています。ちなみに、武満徹が晩年監修を務め、彼の死の翌年に完成した東京オペラ・シティのコンサートホールにはタケミツ・メモリアル・ホールの名が冠せられましたが、その東京オペラ・シティに於けるオープニング・コンサートの中で、作曲家兼ピアニストの高橋悠治によりこの『閉じた眼Ⅱ』が武満徹の為に演奏されました。

デーブス氏の講演に挟まれる形で演奏・オイリュトミーされる2つの『リタニ』は、武満徹の友人でありロンドン・シンフォニエッタの指揮者であったマイケル・ヴァイナーの死を悼んで1989年に作曲されその翌年の追悼演奏会でポール・クロスリーにより初演されたものです。題名リタニは英語の『連祷』という意味です。この作品はもともと1950年に『2つのレント』として作曲されましたが、その楽譜は紛失されてしまいました。それを武満が記憶を頼りに亡くなった友人の為に再作曲した作品がこの『リタニ』です。大津波で全てを流された人々にとって、それぞれの記憶は非常に尊いものとなるわけですが、そうした運命的モチーフがこの作品の作曲過程とつながります。

最後の『雨の樹素描Ⅱ』は、武満徹が影響を受けたオリヴィエ・メシアンの追悼演奏会の為に1992年に作曲され、アラン・ヌヴーによって初演されました。そこには悲しみではなく、故人が存在したことに対する喜びや感謝の気持ちに満たされた様な明るいハーモニーさえ響き渡ります。それを追悼行事の中で日本に於ける希望の光とつなげて表現出来たら…と考えました。

重たく沈痛な雰囲気の『閉じた眼』から2つの『リタニ』を通して最後の『雨の樹素描』に至るまでの音楽的な移り変わりと、デーブス氏が引き受けて下さった講演内容の流れが融合するように、この4つのピアノ作品の公演順序も考慮されました。

2011年12月3日 ミュンヘン郊外プッハイムにて
吉田和彦(アレフ・アンサンブル、ピアニスト)


※フライヤー表面のタイトル画はキリスト者共同体司祭、ノルベルト・シャーフの作品(東日本大震災の直後に吉田夫妻に寄贈)






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